2024.11.13
不定期連載「コラボの原産地」第18回です。
今回のインタビューは『MINECRAFT』の開発に関わる3名の担当者さんにお話を伺いました。
今回もインタビュアーを務めるのは、グラニフコラボレーション担当の石川です。
仕事にかこつけてスウェーデン・ストックホルムにある
ゲーム開発スタジオ『MOJANG STUDIOS』にお邪魔しました。
なかなか伺える機会のないオフィス見学にワクワクしながら、
お伺いしたかったことを全て聞いてきました!
『MINECRAFT』のブランド理念や開発秘話も満載です。ぜひ最後までご覧ください。
Head of Brand (ブランド責任者):
Thomas Falkenström(トーマス・ファルケンストロム)
石川それではインタビューを始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
トーマスよろしくお願いします。
石川この度はコラボレーションをさせていただきありがとうございます。素敵な商品がいっぱいできました。
トーマス本当に素敵な商品がいっぱいです。見た瞬間にこの商品は非常にプレミアムで、大人のファンも手に取りやすく、実に深く考えられて作られたものだ、と直感的に思いました。ディティールにこだわっていて、マインクラフトを知っているという方々から、マインクラフトを愛しているコアなファンの方々まで広くアピールできますね。
石川ありがとうございます!私たちのブランドは今日本に80~90店舗ほどあるブランドなのですが、お客様からマインクラフトとのコラボをやってほしいという声をたくさんいただいていて、ついに実現しました。
トーマスそれは本当に素晴らしいですね!とてもワクワクしています。
石川では早速インタビューさせていただきたいのですが、まず自己紹介をお願いいたします。
トーマストーマス・ファルケンストロムです。『Mojang』と『MINECRAFT』のブランド責任者をしています。私の経歴ですが、ここで働く前はキング(King Digital Entertainment)でキャンディークラッシュ(Candy Crush)に携わっていました。また、Nikeでサッカー関連の仕事をし、その後はマーシャル(Marshall Amplification)で責任者をしていました。ご存じの通り、マーシャルは音楽機器のアンプのメーカーですが、ブランドのマーケティングや、ヘッドホンやスピーカーなどのマーケット拡張を担当していました。それ以外にもDiceなどで働いていたので、基本的にはライフスタイルやブランド関連のキャリアですね。もう22年この業界にいます。
ただ、私が本当に情熱を持っているのは、実はゲームオタクだということです。私の最初のゲームはVIC 20でした。The Commodore 64ではなくて、VIC 20です。あのパドルコントローラーで遊んでいました。ゲームは全部カートリッジでした。1982、83年ごろにアメリカに住んでいる時ですね。
とはいえ、今私たちがやっていることの好きなところは、マインクラフトがただのゲーム以上のものであるというところですね。例えば、世界中の子供に与える影響のように。単に画面上で体験するものを超えていて、いわば自分自身の世界そのものなんですよ。
石川本当にその通りですよね。では、マインクラフトの話に移りますね。最初の質問はちょっと公式の質問っぽいかもしれないのですが、マインクラフトは、コラボレーションパートナーをどのように選ばれていますか?
トーマス全然公式っぽいと思わないですよ。むしろ今日の対談において非常に重要で関連性が高いじゃないですか。
実際のところ、マインクラフトというのは、私たちがコントロールしている以上に大きなブランドです。すべての原動力となってきたのは、最初からずっとマインクラフトを取り巻くコミュニティーなんです。動画コンテンツのデータから、よく「1兆回の視聴がある」と言われていますが、これの数字は実際には2021年に1兆回に達したという古い数字です。そしてそれを成し遂げたのは私たちではありません。コミュニティーなんです。私たちと同じくらいマインクラフトを愛している人々が、たくさんの動画を作り上げてきました。11歳の息子が作ったマインクラフト動画から、ミスタービースト(Mr.Beast:登録者数が世界一位の動画クリエイター)が手掛けたものまでです。その魂こそがコミュニティーなんです。だからマインクラフトに関わるとき、コミュニティーに対して謙虚でなければならないと感じています。マインクラフトはたくさんの人たちが自分の物語を語るための世界であり舞台だと言えます。だからこそ、私たちから声を出すときには、オープンなものにすることが非常に重要です。質問の答えになりますが、私たちはそういうことを考えパートナーや発信する表現などを選定しています。パートナーといってもさまざまな種類のパートナーがいて、特定のターゲット層から、今回のコレクションのような「スーパー・プレミアム」な層まで含まれます。だから、私たちのコミュニティーが持つ幅の広さを反映するようなものを提供しなければなりません。同時に、それによって誰かを排除することは避けるべきです。重要な指標は、「インクルーシブ(包括的)」だと感じられることです。
例えば、来年公開予定の映画についてですが、「The Minecraft Movie」ではなく「A Minecraft Movie」と名付けました。それは、あくまでも数多くの物語の「一つ」だからです。私たちの物語が唯一のものであると主張するのはおかしい。これは一つの物語に過ぎません。今後も他の物語を語っていくでしょうし、他の人たちもそれぞれ別の物語を語るでしょう。だからこそ、人々に「私たちがマインクラフトを所有しているわけではない」と感じてもらうことが重要です。私たちは所有しているのではなく、むしろ共有しているということです。
たとえば、私たちが作っている最中のアミューズメントパークですが、最も重要だと考えているのは、私たちのお客様にとって関連性のあるものを作ることです。私たちがとても参考にしているのがスタジオジブリがやっていることです。彼らのテーマパークにはただのライドなんてないですよね。あるのは、世界に入り込んで体験するということです。それは、ブランドやファンに対する深いリスペクトの表れです。どこにでもあるような体験を求めるのではなく、マインクラフトであったりジブリのような体験が私たちは欲しいわけです。ただブランド名を貼り付けたようなものではなく、たとえば電車を買ってマインクラフトのロゴを貼るようなことはしたくありません。だってそれはマインクラフトに存在しないですよね。つまり、常に「関連性」がなければならないということです。
石川素晴らしいですね。それは具体的にいつから体験できるのでしょうか?
トーマス最初は、今週テキサス州ダラスで「Village Rescue」と呼ばれるインタラクティブなライブ体験を開催します。(*撮影日は10月中旬)
石川今お伺いしたマインクラフトの世界を全員で作っていく、Mojang Studiosがきっかけを与えることで広がっていくというイメージが、マインクラフトというゲームの中でまさに起きていることと似ている気がします。
トーマスそうですね!広がっていくイメージを私たちは「木」に例えています。このアナロジー(思考方法)は「ゲームとエンターテインメントの世界」を指すものです。ただ、その根はどこにあるのでしょうか?それはゲームにあります。すべては根から始まり、それをもとにしてブランドを通じて「樹冠」の部分、つまり幹から伸びた枝や葉が広がる部分全体を築こうとしています。私たちとコミュニティーが育てていくのです。しかし重要なのはバランスです。もし根が十分に大きくなければ、大きな樹冠を築くことはできません。根が弱ければ、崩れてしまうからです。だからこそ、ファンにとって意味のある根をしっかり築くことが大切です。たとえば、すでに「ウォーデン」や「ネザー」がありますが、今度「ペールガーデン(Pale Garden)」や「クリーキング(The Creaking)」が登場すると、ホラー要素に向けた新しい根が育つわけです。そうすると、枝葉の部分に、より新しい「怖さ」という要素が広がる余地が生まれるわけです。
石川僕らグラニフが商品を作らせていただくときも、僕らはその作品の木が作る枝葉だと思っているので、その作品の根っこがどう張っているのか、その作品の中で一番大切にしているところは何かっていうことを、徹底的に考えています。そういったフィロソフィーというか、Mojang Studiosがマインクラフトに対して大事にしていることを精一杯汲んで商品を作ったつもりなので、そのイメージが間違っていなかったということを知れて嬉しいです。
トーマスそうそう、まさにその通り!商品の細部にこだわるところが気に入っています。本当に素晴らしいです。
石川ありがとうございます!
トーマスこちらこそありがとうございます!
石川2つ目の質問です。すでにお答えいただいているところもありますが、そうしたパートナーシップはブランド全体の成長と進化にどのような役割を果たしていると思いますか?
トーマスそうですね、少しだけ付け加えるとすると、ブランドを構築する上で重要なことの一つは、ブランドというのは人々の頭の中にしか存在しないということです。つまり、どう感じるかは人によって異なります。そして、往々にして他の人がどう思っているか分からない。でもあるブランドについて話したい気持ちがあり、例えばこの服を着ることで、ブランドの「ビーコン(目印)」となり、「自分はこれが好きだ」と表現できる。学校の校庭でこの服を着ていると、「私もこれが好きなんだ」と感じている他の人と話せるきっかけになりますよね。それがネットワーク効果を生み出し、みんなでその話題について話せる。それは私たちにとって大きな強みです。こういったことは、本当に大好きなものにしかやらないですよね。例えば、よっぽど興味でもない限り、掃除用洗剤がプリントされたTシャツを買ったりしないでしょう?
石川実際に僕らが商品を作っている時に考えているのは、コンビニに行った時に「袋はご利用ですか?」のような提携文しかない会話が変わるきっかけになる商品を作りたいということです。グラニフの商品を着ていただくことによって「あ、それって〇〇ですよね?」みたいな、これまでの決まりきった会話しかしない相手との壁を壊して、そういうやりとりができたり、僕は常にグラニフの服を着ているので、電車に乗っていると「それってマインクラフトですよね?」みたいに会ったことない人からも声をかけられたりするんです。そういうコミュニケーションが自然に発生するものを目指して作っているので、その発想もマッチしているのがうれしいです。
トーマス本当ですね。そこでマインクラフトというブランドにおいて重要なのは、マインクラフトはさまざまな方法でプレイされている、ということです。あなたはクリエイターかもしれませんし、冒険者かもしれない。または PvP(Player versus Player) が好きかもしれません。それでも、みんな同じ世界の中で出会う、お互いに共通の土台を持って交流できるという点です。そしてみんな似たような体験をするんです。ちょうどユウが着ているスウェットの「Everybody has a first night(みんな最初の夜を経験する)」みたいにね。それが、他のみんなと共有する物語なんです。それって素敵なことだと思います。
石川僕は最初の夜だけでなく、だいぶ長い間この家に住んでました!
トーマス(笑)僕もだよ、僕もそう!
石川先ほどコミュニティーという話が出ました。マインクラフトは大規模で情熱的なコミュニティーを持っています。そのコミュニティーを巻き込み、育てるためには何を大切にしていますか?
トーマス私たちの基本戦略は、コミュニティーと直接コミュニケーションを取り、彼らの意見を聞くことです。例えば、後ほどゲームディレクターのアグネスと話すと思いますが、彼女にはゲームのスナップショット(開発中の機能)を試してチェックするプレイヤーやテスター、開発者たちがいて、常にフィードバックを聞いています。彼ら彼女らが私たちのアイデアについてどう思っているのかを確認しているんです。私たちは本当にコミュニティーの声に耳を傾けながら、ゲームを一緒に開発しようとしているのです。
石川マインクラフトの世界にいる住人たち=プレイヤーたちを大切にしているゲームなんだな、ということがすごく伝わってきます。ちゃんと声を聞いてもらっているからこそ僕らも安心して楽しめているんですね。
トーマスそれが一番大事なことなんです。いわば私たちの「血液」といっていい。コミュニティーがエネルギーを生み出しているんです。最初からそうでした。マインクラフトが始まった当初、コミュニティーが共に協働して、フィードバックを与えてくれました。マインクラフトは決して独立して作られたわけではなく、ただ一方的に何かが進んだのではなく、常にコミュニティーと一緒に作り上げてきました。これまでのすべてが重要なんです。
石川僕らグラニフもユーザーフォーカスをうたっていて、この洋服を着たらファンの人たちやお客様がどう思うか、どういうコミュニケーションができるかっていうことを常に考えているので、すごくシンパシーを感じます。ゲームとアパレルとで全く違うものを作ってはいますが、そういう意味では先ほどの根っこのお話に近いものを感じます。これまで僕はプレイヤーとしてマインクラフトで自分の世界を作ってきたのですが、マインクラフトの製品を作る時も基本はゲーム内と同じだと感じていました。
トーマス確かに、その通りです。それがマインクラフトの素晴らしい点でもあると思います。つまり、マインクラフトは自分がどうしたいかに合わせて遊べるんです。他の多くのゲームのように「この方法でプレイしなければならない」という決まりごとはなく、開始から終了までがすべて思いのままにプレイできるのです。たとえばスポーツとは違って、あるスポーツが好きなら、そのスポーツのユニフォームを着ることがとても重要ですよね。でも、マインクラフトが好きな場合、それを表現する方法は何通りもあります。
石川自分の気持ちを満たすプレイをするのがマインクラフトですし、そういう意味では自分たちが着用することで気分が上がったり機嫌が良くなるようなアイテムを作っているのがグラニフなので、今回このコラボができてうれしいです。
トーマス「気分が上がったり機嫌が良くなる」、そうですよね。それがあなたたちがやっていることなんですね。この細かいディテールやクラフトマンシップが素晴らしいんです。ユウがこれまで見せてくれたものには、考えが込められていて、細部にこだわりが感じられます。このアイテムによりプレイヤーは新しい発見をして、ちょっとした喜びを感じるんですよね。驚きと楽しさがあります。
石川例えばこのダイヤモンドのニット。腕には「ダイヤモンドの剣」の刺繍がありますが、背面にはクラフトするために必要な素材が刺繍されています。このディティールは特別な説明がなくてもファンの人たちには伝わると思っています。
トーマスマインクラフトのファンはこれを理解するだろうし、だからこそこの文化が意味のあるものになります。まさにその「感覚」の共有ですね。それがもっと意味のあるものになるんです。本当に理解している人たちにはさらに深く伝わるからです。他の人は単にかっこいいデザインだと思うかもしれませんが、理解している人にはこのデザインの意味がちゃんと伝わるんです。
石川そして会話に繋がるんですね。
トーマスそう、きっかけになります。
石川さて次の質問ですが、外部のパートナーと協力する際に考慮する主な要素を伺いたいです。マインクラフトは誰でもどこのブランドでもコラボレーションをするわけではないですよね。コラボレーションをする相手に対して、何を大切にしていますか?
トーマス基本的に私たちはパートナーを2つの方法で見ていますが、いずれにしても大事なのはファンに向けているか、ということです。つまり、実際にゲームをプレイしている人たち、そして、ブランドが好きな人たち。かつてはゲームをプレイしていて今はプレイしていないけれど、依然としてマインクラフトが好きで、それを表現したいという人たちです。だから、私たちはゲーマーだけでなくファン全体にもアピールし、喜んでもらえるようなものを提供したいと思っています。
さて、どのようにパートナーを選ぶかということですが、実際のところ実に多くの企業が私たちに協力を申し出てくれます。そこで、私たちのブランドに合致するかどうかの見極めが重要です。ポイントは、相手のブランドが十分に強いかどうかです。たとえば、BurberryやLacosteのような会社とコラボすることがありますが、100%のオーバーラップではなくても、少なくとも大きな共通点があることが重要で、それは私たちが目指している「クリエイティビティの促進」や「想像力の刺激」に合うかどうかです。
例えば、LUSHとのコラボでは、最初は「バスボムを作ろう」というアイデアがありましたが、製品を見るまでなぜそのコラボをするのか理解するのが難しい人もいました。しかし、「マインクラフトの香りってどんな感じだろう?」と考えると面白いですよね。それに加えて、「どうやってファンが喜ぶ楽しいものを作るか」ということです。たとえば、私は「LUSHのドラゴンの卵を水に入れると何かがスポーンされる」というようなアイデアをずっとやりたかったんです。つまり、「驚きと楽しさ」を提供し、想像力をかき立てる、そういう他とは違うことをやるのが大切だと思っています。
石川今のプレイヤーと、かつてプレイしていて今もファンでいる方、という二つの対象をおっしゃっていましたが、グラニフでも大事にしているポイントの一つに、グラニフとコラボレーションをしたことをきっかけにマインクラフトを知っていただくという方にも届けたいと思っているのですが、その点はどうでしょう?
トーマス目に入っていなかったあるブランドが別のものと関連付けられているのを見て初めて興味を持つことはありますよね。ユウが言っていることは全く正しくて、コラボレーションはそうした新たな可能性を広げますよね。
もっといえば、通常、ブランディングはそのブランドの認知度を高めるための活動です。つまり、どれだけの人がそのブランドを知っているかということです。しかし、世界中の多くの人がすでにマインクラフトを知っているので、私たちはそれを特に強化する必要はあまりありません。その代わりに、consideration(検討段階)に焦点を当てています。これは、ユウが言っていたように、「ブランドを知っているけれど、まだ真剣に検討していなかった人々」が、「あ、これも気に入っている他のブランドと一緒に出てきた。このデザイン、結構カッコいいかも」と思うような状況を作り出すことです。
石川届けたいお客様のイメージも合致していてよかったです!最後の質問です。先ほど映画の話もありましたが、ゲームの中だけの話ではなく、今後の展開について言える範囲で教えていただけますか?
トーマス今、私たちが話せることとしては、いくつかの大きなエントリーポイントに関する計画ですね。たとえば、ワーナー・ブラザースと進めている実写版の映画や、Netflixと開発中のアニメシリーズもあります。それから先ほど話に出た、アミューズメントパークにも取り組んでいます。マインクラフトは複雑なゲームで、最初は地面に穴を掘って隠れることもしなくてはならず、簡単ではありませんよね(笑)。チャレンジングなゲームです。でも、好きになってくれたら、それを友達と一緒に体験したい、共有したいと思うでしょう。なので、友達と一緒に映画館に行って、マインクラフトを観る絶好のチャンスになります。他にもNetflixで観たり、リアルな体験施設に行ったりすることができるようにすることで、もっと多くの人々にマインクラフトを楽しんでもらいたいです。私たちはこういった「結びつきの場」を増やし、マインクラフトコミュニティーをさらに強化し、より多くの人々を招き入れたいと考えています。
石川ファンとしては色々な形でマインクラフトを楽しめるのは楽しみでしかないです!
トーマス絶対いいものになりますよ。
石川インタビューは以上です。ありがとうございました。
トーマスありがとうございました。
Vanilla Minecraft ゲームディレクター:
Agnes Larsson(アグネス・ラーソン)
アグネス(席について商品を見るなり) わーお!
石川はじめまして。グラニフのユウです。ブランドのコラボレーションを担当しています。今回はマインクラフトとコラボレーションをさせていただき、ありがとうございます。
アグネスこちらこそありがとうございます。
石川では早速ですが、自己紹介をお願いします。
アグネスアグネスです。ゲームディレクターで、マインクラフトのベース部分を担当しています。Mojang Studiosでは8年半働いていて、プログラマーから始めて今ではもっと色々な役割を担っています。
石川すごいですね!
アグネスゲームがとても好きなんですよ。3歳半の時から初めて、一番最初のビデオゲームは8ビットのニンテンドーなの。
石川えー、すごい。日本のゲームもお好きなんですね!
アグネスはい大好きです。例えばファイナルファンタジーでしょ、それからゼルダやマリオもね。
石川日本人として嬉しいですね。
今回コラボレーションさせてもらったアイテムを並べてみました。感想をお伺いできますか?
アグネスとてもとても素敵!刺繍されているやつが大好き。すごくかわいい。それに、ウーパールーパーが大好きなので。彼らにはたくさんの魅力があると思うのよね。
石川ウーパールーパーはアグネスがデザインしたんですよね?
アグネス素晴らしいチームがデザインしてくれました!一緒にウーパールーパーに関わる作業をたくさんしましたが、ウーパールーパーって本当に「マインクラフティック (マインクラフトらしい)」だと思うんです。よく、マインクラフトのモブ(キャラクター)は少し「アグリーキュート(不細工だけどかわいい)」と言われますが、ウーパールーパーはまさにその要素を持っていると思います。
石川例えば、僕が着ているスウェットは、一番最初の夜ですね。ゾンビが怖くて、でもまだ家もベッドも作れない状態を表現しました。
アグネスあー!最初の夜ね!彼は地面にもぐって、朝が来るのを待ってるのね!
石川ジップには月が付いています。
アグネスほんとだ!ああ、ストーリーテリングがこんなにもたくさんあるのっていいですよね。本当に素敵で、地面、草、そしてすべてのゾンビがしっかり見えます。音まで聞こえてきそうですね。すごいクリエイティブ!!
石川ありがとうございます!では、質問に移りますね。マインクラフトはブロックで作る無限の創造性を探究する場所だと思いますが、「ブロックの構造」と「プレイヤーが想像しうるものを自由に表現できる」、その制限と自由さという相反するものをどうバランスをとっているのでしょうか?
アグネスとってもいい質問ですね!私たちにとって大事なのは、ブロックがとてもシンプルであることです。ブロックそのものがシンプルで幾何学的で構造も比較的簡単です。まずブロックがしっかりと基盤を持ち、マインクラフトの世界で何か美しいものを作るためのハードルが非常に低くなっているんです。だから、最初に作った土の家でも、きれいに見える。そしてプレイヤーはクリエイティブな誇りを感じることができるわけです。シンプルなグラフィックのおかげで、作るのも非常に簡単ですよね。
私たちにはいくつかのデザイン原則があり、そのうちの一つを「シンプルな美しさ(Simple Beauty)」と呼んでいます。それは、ゲームメカニクスとビジュアルデザインがどちらもシンプルであることで、プレイヤーがよりクリエイティブになりやすいということです。私たちはよく「マインクラフトは学びやすく、愛しやすい(Easy to love and learn)」と言うんです。でも「極めるのは難しい(Tricky to master)」、そして「終わりはない(Impossible to finish)」。ゲームに入るのは簡単ですが、仕組みを理解し始めると、無限の可能性があることに気づくんです。各ブロック自体はシンプルですが、それをさまざまな方法で組み合わせることができて、プレイヤー自身がクリエイティブになることで、自ら何かを作り出すんです。だから私たちはただ、プレイヤーがそうあるようにとインスパイアしているだけなんです。
石川僕もマインクラフトについて、入り口がシンプルで、尚且つ終わりが見えないというところにすごい魅力を感じていました。今回のコレクションはどちらかというとマインクラフトの入口に寄ったラインナップですが、ここからコレクションを繰り返していくことで、マインクラフトの奥深さを紹介していけたら、年に一回ぐらいコレクションができる終わりのないコラボレーションになったらいいなと思っています。
アグネスそれはとても素敵ですね!楽しみ。
石川続いての質問です。シンプルであるがゆえに美しいデザインになるということを理解した上で伺いたいのですが、モブをデザインするとき、例えば鳥を表現しようと思ってもブロックで組んでいくとやっぱり制限があると思います。実際にいる動物をデザインする際にはすごく苦労しそうな気がするのですが、どのように解決したか、具体的なエピソードがあれば教えて下さい。
アグネスまさにおっしゃる通りです。少ない要素でどう表現するか、ということですよね。これも素晴らしい質問です!一つのチャレンジです。少し大きな視点になりますが、ゲーム開発者としては、どうしても自分たちが物語を語りたくなってしまいます。まるでプレイヤーの代わりにゲームをプレイしてしまいたくなるんです。でも、マインクラフトのようなゲーム、つまりプレイヤー自身が自分の世界を作ることを可能にし、それをインスパイアすること、を目指しているゲームの場合、私たちは一歩引いてどうやったらプレイヤー自身がクリエイティブになれるか、そのためにどうデザインすればいいのかを考えなければなりません。プレイヤーが自分の体験を作り出すことが重要で、私たちが提供するものをただ受け取るのではないんです。
バランスという意味では、具体的な例で言えば、動物のビジュアルデザインの話になりますが、ユニークな魅力や少し風変わりなところをどう取り入れるかがポイントになります。そういう工夫は常に考えていますね。
私たちにはいくつかのデザイン原則があり、それが正しいバランスであることを助けてくれます。たとえば、「笑顔を届ける(Bring smiles)」というものがあります。これは一見当たり前のように思えるかもしれませんが、ゲームを作る上で非常に重要です。私たちは世界中に「喜びを広める」ためにゲームを作っています。この原則は、バランスを取ることについて多くを含んでいると思います。さっき言ったような「少し風変わりな」と言っても、それはコミカルすぎたり、よくあるお決まりの表現というわけではなく、「マインクラフティック」なユニークなものであるべきなんです。プレイヤーがある生き物を見たとき、それがちょっと面白いなと見えつつも、その生き物たちは自分の役割や存在を真剣に考えているように見える、そんな感覚を持ってもらいたいんです。だから、その「マインクラフティック」を見つけるためのバランスが常に求められます。
石川その「喜びを広げる」という点は、例えばパンダを見つけた時に何種類か顔の表情に差がありますよね。プレイをしていて、そこにプレイヤーを喜ばせたいという作り手の気持ちを感じていました。その感覚はグラニフというブランドの仕事に携わっていて似たところを感じています。
アグネスそうなの!パンダは私がデザインしたの!パンダの時は特に面白かったんです。私にとっては、特にそういうことを考えたキャラクターの中のひとつだったんです。とてもエキサイティングなチャレンジでした。私たちはできるだけ現実世界のパンダと同じようにしたかったので、あまりメカニックな動作がなく、狙いとしてはパンダの魅力を通して、プレイヤーがただパンダというキャラクターを好きになってもらうようにしたかったんです。そこで考えました。どうすれば、この生き物に対して本当に感情移入できるようにできるか?その時に出たアイデアの一つが、パンダにさまざまな個性や表情を持たせることでした。それにより、さらに強い絆を感じてもらえると思ったんです。パンダが本当に特別な理由です。
石川表情があるから感情移入してしまって、プレイしてる時に実際に伝わらないのがわかっていても、「そっちいっちゃだめ!」とかパンダに話しかけちゃいますよね。
アグネスそうですよね。よく話題に出るのですが、これは私たちのデザイン原則の一つにも関連しています。プレイヤーには、本当に自分はマインクラフトの世界にいるんだ、と感じてほしいんです。つまり「没入感」です。それが意味するところの一つに、出てくる生き物たちに感情移入できる、ということがあります。例えば、単純なことなんですが、生き物たちもプレイヤーに気づいている、というのは実はとても重要なことです。マインクラフトの世界を歩いていると、彼らは小さな目であなたを見つめてくるんです。それだけで大きな違いが生まれます。ただ目を合わせるだけで、その瞬間、私はその世界にいるんだと感じ、生き物たちを大切に思うようになるんです。
石川その可愛らしいキャラクターたちが語りかけてくるような感じは、グラニフのアイテムの刺繍などで表現できていますでしょうか?
アグネスそう思います!生き物たちが私を見つめていると感じますし、ちょっとおかしな感じがするんです。私たちのよく言う「ちょうどいい具合におかしい」という感じですね。いい意味でね。上に立っているニワトリさんとかも。
石川良かった!ありがとうございます。次の質問ですが、マインクラフトというゲームが、さっきおっしゃっていたように長く続けていく上でずっと魅力的でずっと新鮮でありつつ、アップデートや新機能などプレイヤーの可能性を広げるためにどのように取り組んでいるのか教えてもらえますか?
アグネスマインクラフトはいつでもやることがあって、完全にプレイし終わることがありません。そしてそれは開発についても同じことが言えます。マインクラフトはほぼ完成しています。素晴らしいゲームです。でも完全に終わることはないんです。
次に何を追加するかを考える時には、多くの可能性があるので、いろいろなことを調べます。まず、ゲーム内に既にあるものを見て、何か改善が必要だと感じる部分がないか。例えば以前、ネザーのアップデートを行ったのは、あそこはまだ改善できる点が多いと感じたからです。数年前には、海を改善するためのアップデートも行いました。こうして、常にゲームを今に合った状態に保つことを目指しています。
それからコミュニティーやプレイヤーの要望も調べますね。プレイヤーはたくさんの要望を持っているものです。もちろん、私たちもすべてを実現できたらいいなと思っていますが、やっぱりそれは難しい。でも、私たちは常にプレイヤーの要望を確認して、それをできるだけ反映させるようにしています。
ちょっと話しすぎかしら(笑)。
もう一つ私たちが考えていることは、マインクラフトは本当にいろいろな遊び方ができる、ということです。私たちは「Player styles(プレイヤースタイル)」と呼んでいるものに取り組んでいて、アップデートの中で特定のプレイヤータイプに向けたものを考えることがあります。特定のタイプにフォーカスすれば、そのプレイヤーにとってのコンテンツをさらに良いものにできるからです。とはいえ長期的にはすべてのプレイヤータイプに向けてマインクラフトを拡張していきたいと考えていますけどね。
石川そうやってファンのみなさんの気持ちを大事にしているというのと、本当にマインクラフトには終わりが来ないんだなというということが知れて、一人のプレイヤーとして嬉しく感じます。
アグネスありがとうございます!
石川次の質問ですが、マインクラフトの中には、例えばスノーゴーレムだったり、エンダーマンなどの現実にはいない存在と、ニワトリやパンダなど現実にいる動物たちが共存しています。そのフィクションとノンフィクションのバランスはどう調整しているのでしょうか?
アグネスいい質問ですね!全体的に私たちが従っているガイドラインですが、オーバーワールドは通常のディメンションで、歴史物や中世ファンタジーがテーマになっています。そこではかなり現実的な感覚を持たせるべきだとしています。ただし、マインクラフティックな解釈で、ですね。例えば、動物はパンダやウーパールーパー、ヒツジのように実際の動物からインスパイアされている一方で、モンスターや脅威となるものは、クリーパーのようにファンタジーの存在です。そして、他のディメンション、ネザーなどでは、もっとファンタジー要素が強くなります。そこでは、エイリアンや異世界的に感じさせたいので、すべてがファンタジーや新しいものにインスパイアされるようにしています。ここがまったく別の場所だと本当に感じられるようにしたいのです。
石川クリーパーのようなファンタジーの存在が、現実的な世界(オーバーワールド)とファンタジーの世界(ネザーなどの異世界)を結びつけている、と理解してもいいですか?
アグネスそう言えるかもしれません。オーバーワールドは現実に近いですが、モンスターなど危険な生き物は常にファンタジーの存在です。それから、もう一つ面白い点があります。オーバーワールドでも地面を掘れば掘るほど、よりファンタジーっぽくなっていくんです。たとえば、すごく深く掘ったところに「Deep Dark(ディープダーク)」という場所があります。怖いところですよね。あそこではすべてが現実的ではありません。これはあえてそうしていて、地表から遠く離れることで、よりファンタジー的な要素が強くなるようにしているんです。
そして、脅威となる危険な存在という点ですが、それらはいつもファンタジーの存在です。私たちはおそらく、例えば危険なライオンを作りたいとは思わないでしょうね。それは私たちが直接的にライオンへの攻撃を促したくないからです。もちろん、ゲーム内で動物たちを倒すこともできますが、もしライオンがプレイヤーを攻撃するような存在だったら、それを倒すことを勧めていることになります。それよりも、動物が何も理由なく攻撃してこないということをプレイヤーに理解してもらう方がいいのです。
石川マインクラフトを始めて、登場するのが現実世界に実在するキャラクターたちだけではないから、この世界の果てが想像できないですよね。クリーパーやゾンビがいることで、彼らが僕に「お前が知っている世界だけじゃないぞ」と思わせてくれるところがとても魅力ですよね。
アグネスそうですね。ある意味でヒントを与えてくれる。そしてより大きな願望が湧いてくるというか、理解していくんです。「ああ、これは本当に大きい世界だぞ、好きなだけいつまでもプレイできるかも」みたいな。そしてどんどん新しいアイデアが浮かんでくるんです。
石川なるほど。ゲームとしてのマインクラフトの意義は一つではないと思うんですけれど、どういう体験をしてもらいたい、などの思惑はありますか?マインクラフトはプレイする人にとってどういう存在であって欲しいか、開発者目線として希望はあるのでしょうか?
アグネスああ、素晴らしい質問ですね!意義についてですが、私が思うに、私たちが最も重要だと思っているのは、何らかの形でプレイヤーの創造力を引き出し、インスピレーションを与え、プレイヤーが自分自身のクリエイティビティを発見できるようにすることです。そういう意味では、マインクラフトは新たな創造的なメディアとして捉えられるかもしれません。絵を描いたり、文章を書いたり、音楽を演奏したりするように、マインクラフトでも自分を表現できるのです。そして私たちの願いは、マインクラフトが誰にでも使いやすいものであり、多くの人がそのおかげで自分の創造力を発見できることです。
私たちはあらゆる形のクリエイティビティが素晴らしいと思っています。マインクラフトは新たなもう一つの方法を提供する手段だと思います。もっと多くの人がクリエイティブになれるようにするための手段ですね。それによって多くの人が喜ぶのではないかと思います。少なくとも私はそう信じています。
もう一つ付け加えるとすれば、他の人と一緒に思い出を作ることも大切だと思います。特に、例えば会いたくても会えない人がいる状況です。病院にいる子どもたちが、友達とマインクラフトを通じて遊んだという話もあります。友達や世界中の別の場所に住んでいる家族に会えない時でも、マインクラフトの世界で一緒に何かを作り、素敵な思い出を共有することができる。そういうところも、私が大切だと思う要素の一つですね。
石川素敵ですね。
マインクラフトを作っている中で、もちろんいろんな計画をされていると思います。こうなるとは思わなかったな、というような偶然の産物みたいなものはありますか?
アグネスもちろん!どんな例があるかな。そうですね、私たちはとても反復的な方法で開発作業をしています。つまり、何かを作ってみて、テストして、ということをたくさん繰り返します。その中でアイデアが浮かんでくることがあるんです。時には、オフィスで誰かが冗談を言って、それが良いアイデアになることもあります。実際の例だと、少し前のことですが、マインクラフトには「怪しげなシチュー(Suspicious Stew)」というアイテムがあるんです。これは、チームの誰かが冗談を言ったことから生まれたものです。私たちが「スズラン」を追加した時、プレイヤーにその花が毒だということを何らかの形で教えるべきだよね、という話になったんです。現実の世界でもそれが毒だと知っておくのは重要ですからね。すると、誰かが「怪しいシチューを作れば?」と冗談を言ったんですが、「それ、いいアイデアじゃない?」ってなって、実現したんです。こんな感じで、ちょっとしたことからアイデアが生まれることが頻繁に起こります。
そしてプレイヤーたちもめちゃくちゃクリエイティブで、私が全く考えもしなかったことを常にやってくれるんです。それを見るのがすごく楽しくて、ワクワクするんですよね。
石川とても面白いエピソードですね。
最後の質問です。これは聞いても良い質問でしょうか?今後どんなアップデートがあるのか、可能な範囲で教えてください。
アグネスそうですね。まだ名前がないものはうまく言えないんですが。でもまあ、えっと、なんて言えばいいんでしょうかね?正しく言いたいんですけど。私たちはマインクラフト・ライブ(Minecraft Live)で、新しいコンテンツのリリースを紹介しました。その中で「ペールガーデン(Pale Garden)」という新しいバイオームについて触れています。ペールガーデンは、昼間は穏やかで静かで美しいけど、少し不気味で独特な感じがする森です。プレイヤーによってその感覚は異なるかもしれませんが。そして夜になると、もっと不気味な雰囲気になります。新しいモブ「クリーキング(The Creaking )」が登場するんです。特徴として、プレイヤーがそのモブを見ている間は動かないんですが、目を離すと近づいてくる足音が聞こえる。そして振り返ると、いつの間にか近くにいる、そんな少し不気味なモブです。まあこれについては、私たちのライブショーで発表したものですので、秘密ではありません。それがもうすぐ登場します。
石川いやあ、楽しみです!
アグネスさんのお話が聞けてとても楽しかったです!ぜひ今回の一回だけではなく、たくさんコレクションを作っていきたいなと思っています。
アグネス本当に。とても素敵ですものね。KAWAII!
石川KAWAIIは共通言語ですね!ありがとうございました!
アグネスありがとうございました!
商品監修担当:
Sherin Kwan (シェリン・クワン)
石川シェリンさん、はじめまして。今日はお時間いただき、ありがとうございます。
シェリンこちらこそ、ありがとうございます。
石川早速ですが、自己紹介をお願いできますか。
シェリンシェリンです。Mojang Studiosでコンシューマープロダクトチームに所属してアートディレクターをしています。アパレルからハードライン、出版、玩具までさまざまなカテゴリーを担当しています。例えば、マインクラフトの中でマンゴーを扱っているように、私たちはあちこちの製品を扱い、すべての製品に使われるアートワークを制作しています。そのため、私たちはマインクラフトのアートワークの新しい使い方を確認することができるんです。
石川なるほど、ありがとうございます。シェリンさんはお勤めして何年ですか?
シェリンMojang Studiosに入社して約5年になります。でも、あっという間に年月が過ぎていくのはとても楽しいです。1週間くらいに感じています(笑)。
石川これまでたくさんのマインクラフト商品を見ているシェリンさんから見て、グラニフのコレクションはいかがですか?
シェリン第一印象は、本当にバラエティに富んでいるなと思いました。カジュアルなファン向けもあれば、ハードコアなファン向けもあって、いろいろな人にアピールできるようなものがミックスされているのがとてもいいです。また、とてもクオリティが高く、今まで見たことのないような新しいテクニックもたくさんあって、とてもエキサイティングですね。初めて実物を見ることができて本当に興奮しています。
石川ありがとうございます。
例えばこの「最初の夜」のデザインは、ゾンビから逃げて地下に隠れているのですが、こういうゲームとして上手くいっていない時のデザインもラインナップに加えました。
シェリン私の最初の夜もこうでした。
石川僕は1週間くらいここに住んでいました(笑)。
シェリンすばらしいデザインですね。
石川アイテムによってストーリーが伝わるデザインを心がけています。このジャケットも紹介させてください。リブ部分のカラーが緑と茶色で土ブロックをイメージしています。ジップを下げることで掘って、掘って、ひっくり返すと、このジャケットはリバーシブルになっています。たくさんの鉱石を見つけることができるんです。
シェリン昼と夜で雰囲気を変えられますね!鉱石サイドはパーティタイムによいですね(笑)。
石川仕事中と仕事後で着わけられますね。シンプルな面のポケットの中もご覧ください。
シェリンネザライトが入ってる!イースターエッグみたいな小さな秘密は大好きです。
石川そしてこちらはダイヤモンドのニットです。後ろにはダイヤの剣をクラフトするための素材が刺繍されています。
シェリンすばらしいですね。
石川ダイヤ装備として着用していただけたらと思います。キッズのダイヤ装備はポケットにダイヤが29個入っているようなデザインです。ダイヤのフル装備をクラフトする際に必要な数ですね。
シェリンこれはハードコアプレイヤー向けですね。見てすぐ分かります!子供たちはこういうデザインが大好きだと思います。
石川こちらはキッズ用のスノーゴレームのパーカーです。フードも是非見てください。
シェリンとてもかわいい!このデザインはハロウィンにも使えますね。
石川フード部分はちゃんとスクエアになっているんです。
シェリンかわいいのに…私のサイズじゃない。(笑)
石川はい(笑)。こちらはキッズ用のエンダードラゴンのパーカーです。
シェリンエンダードラゴンはかっこいいですね!私も好きです。
石川背面はエンドポータルがプリントされていて11個のエンダーアイがはまっているのですが、1つだけ空になっています。残る1個が首元にボタンとして付いているんです。
シェリンかわいい!データ上のデザインでは見ていたのですが、実物を見るとディテールが凝っていますね。本当に新しくて、本当にエキサイティングです。多くのテクニックが使われていて、今まで見たことのないプロダクトになっています。本当にクールですね。
石川こちらは大容量のトートバッグです。オーバーワールドの動物を刺繍で表現しています。手で持ったり肩に掛けたり2WAYでご使用いただけます。
シェリンすごくいいですね。
石川さらに内側を見ると、中のポケットにワンポイントがあります。
シェリンかわいい!マインクラフトは全てが正方形でできているから刺繍ととても相性がいいんですね。
石川こちらはクリーパーデザインです。クリーパーが爆発した様子を表現しています。
シェリンなるほど!この四角はすべてブロックなんですね(笑)!パンツの大きなポケットが気に入りました。
石川このパーカーとパンツはセットアップでも着れるんです。爆発コーディネートですね。
シェリンプレイヤーの皆さんが着てくれている姿が想像できますね。
石川私たちはウーパールーパーが好きなので今回トレーナーに刺繍してみました。
大人とキッズでお揃いのデザインです。
シェリンとてもキュートです。後ろには青いウーパールーパーがいるんですね!
石川そうなんです!こちらはソックスですが、バケツですくったウーパールーパーもいるんです。
そして総柄の中には1匹だけ青い子が隠れているので探してみてください。
シェリンどのアイテムも品質が本当にいいと思うし、ソックスでここまでピクセルをはっきりと表現したクオリティのものは見たことがない。本当に本当にすばらしいです。
石川それと、今回はプリントTシャツも作っています。オーバーワールドの動物たち、クリーパー、エンダードラゴンのデザインです。
シェリンカジュアルに着こなせていいですね!
石川そして、このクッションのようなものを紹介させてください。シャベルの引き手を引いて開けて、ひっくり返すと、あるものにトランスフォームします。
シェリン写真を見ていて、これは何だろうと気になっていたんです。
石川ひっくり返すとクッションだった部分がポケットになります。
シェリン着られるブランケットだ!とてもかわいい。
石川最初の夜のデザインです。夜に刺繍のゾンビが現れたせいで、土の中に隠れています。スウェットの隠れ家よりも広い部屋ですね。ブランケットの端も見てください。
シェリン月もある!すてき!!
石川そして2つ重ねてスノーゴーレムになっているペアのマグカップも用意しました。
シェリンとってもかわいい!!
石川以上がグラニフのマインクラフトコレクションの第1弾です。シェリンのお気に入りを3つ教えてください。
シェリン私のベスト3ですね。
1つ目はこのブルゾンです。
リバーシブルで使えるのもいいですよね。襟元のカラーやポケットの中のサプライズなど、たくさん細かいアイディアが詰まっていて、楽しいイメージがいっぱいです。シンプルなデザインも、派手なデザインも1枚で楽しめるから多くの方が喜ぶと思います。
私のもう一つのお気に入りアイテムはダイヤモンドのキッズ長袖Tシャツ。
これは本当にかわいいと思う。必要なダイヤモンドの数がわかるのが嬉しい。子供たちはこの数が何を意味しているのか分かると思います。自分が集めた時のことを思い出すと思います。
石川彼らの両親は知らない情報ですよね。
シェリンそう、でも子供たちが教えてくれる。そういうコミュニケーションが生まれるデザインです。
そして、もうひとつはエンダードラゴンのキッズパーカー。
これも本当にかわいいと思う。このスタイルガイドを作った時、私たちはこれ以上新しいデザインはできないと思ったんです。だから、これを初めて見て、とてもクリエイティビティだと思いました。私はこれに軍配を上げたい。本当に!
石川私も好きなデザインです。
シェリンアグネスも気に入ってたでしょ?だって、こんなの見たことないもの。すごくクールだと思うけど、どれもディテールにこだわってる。小さなエンダーアイのボタンをはじめ、正面からだけでなく、360度アイテム全体からこだわりが透けて見えるような、愛情と配慮が込められています。
ちなみに、このコレクションの中でユウのお気に入りはどれですか?
石川僕はこの思い出の1枚が大好きですね。やはり最初の夜のことは記憶に強く残っています。
シェリン最初の夜のことを考えると、怖い思い出だけどね。
石川最初はなんて難しいゲームなんだと思いましたよ。
今回のコレクションが好評で、セカンドコレクションがあるとしたら、グラニフに何を期待しますか?
シェリン今回はクリーパー、エンダードラゴン、最初の夜など、基本的なものをたくさん作ってくれたと思います。だから、まだ見たことのない他のモチーフにもっと広げていくのがよいかもしれません。私は猫を飼っているので猫が大好きなんです。なので猫のアイテムがほしいですね。
そして、まだネザーにはほとんど触れていないですよね。だから、次はネザーも探求すべきですね。それから、ウォーデンのような新しい怖いモブも人気があります。マインクラフトには探検する対象がたくさんあります。どの方向に行っても楽しいことが待っていると思いますよ。
石川個人的にはアレイの刺繍アイテムを作りたいと思っています。
シェリンとてもいいと思います!
石川仮にスウェーデンで今回のコレクションを販売した場合、人気になると思いますか?
シェリンもちろん!このコレクションをスウェーデンで売ってほしいです。オフィスでこれを見た人がいたら、つかみ取りが始まりそう…。みんな絶対これを着たいと思います。
石川ストックホルムに来るのは初めてなので、いろいろなお店を見ているのですが、どのブランドも無地のシンプルなアイテムが多いですよね。だから心配していたのですが、スウェーデンの方々にこれらのデザインは好まれるのですね。例えばグラニフがストックホルムに出店したら成功するでしょうか?
シェリンストックホルムではこんなデザインは見られないから、成功すると思います。グラニフのアイテムは大胆で遊び心があって、どれも新しく革新的なことをやっていますよね。特に大人向けのカーディガン!ストックホルムでこれを売ったら、着ている誰かに街で会うかもしれない。もしかしたらそれは知らない人かもしれない。そんな大人の人たちにも着てもらえるような魅力があると思います。それなのに「マインクラフト」と大声で叫んでいるような主張が激しいデザインではなく、よく見たらマインクラフトだと気付けるデザインなのがいいです。だから、間違いなく人気になると思う。
石川ありがとうございます。とても自信になります!それでは最後に、日本のマインクラフトファンにメッセージをお願いします。
シェリングラニフのコレクションを皆さんに楽しんでいただき、評価していただければ幸いです。マインクラフトを始めたばかりの人も、マインクラフトを長い間プレイしている人も、このコレクションにはたくさんの苦労が詰まっています。このコレクションにはあなたのための何かがあります。これからもマインクラフトを楽しんでください。マインクラフトへの愛を、好きなようにアピールしてください。
石川ああ、素敵な言葉です!本当にありがとう。
シェリンありがとう。サンプルを持ってきてくれてありがとうございます。
オフィス見学フォトコレクション
スウェーデン・ストックホルムにある『MOJANG STUDIOS』のオフィス。
世界中を魅了するクリエイティブの原産地を見学してきました。
『マインクラフト』コラボレーション
予約購入プレゼントキャンペーン
2024年11月13日~11月25日の期間中に『マインクラフト』コラボレーションアイテムを予約購入いただいた方の中から抽選で20名様に「クリーパー」と「エンダーマン」のMinecraftコレクションぬいぐるみをセットでプレゼント!!
※当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※賞品は2024年12月上旬発送予定です。
※抽選賞品の内容、送付時期は変更になる可能性がございます。
※ご予約商品とは別送となります。
『マインクラフト』コラボレーション
発売記念 ノベルティ
グラニフ国内店舗及びグラニフ公式オンラインストアにて『マインクラフト』コラボレーションアイテムを税込5,500円以上お買い上げの方に先着で、オリジナルデザインの限定ステッカーをいずれか1枚プレゼント。
※ステッカーはお選びいただけません。
※無くなり次第終了、予告なく終了いたします。
※各国内店舗、オンラインストアの特典準備数には限りがございます。
※ノベルティに関するお問い合わせについては一切お答えできません。
※ステッカーは監修中のためデザインが変更になる可能性があります。
Profile
Head of Brand (ブランド責任者)
Thomas Falkenström
(トーマス・ファルケンストロム)
ブランド部門の責任者として、パートナーシップやコラボレーションを通じてゲーム外でもMinecraftを活気づけるチームをリードしている。趣味は料理、読書 (主にハイファンタジー)、ビデオ ゲームをプレイすること。
Vanilla Minecraft ゲームディレクター
Agnes Larsson
(アグネス・ラーソン)
ゲームチーム内のクリエイティブをリードするMinecraft のゲームディレクター。多趣味であり、ゲーム制作そしてゲームを遊ぶこと(3歳のときにファミコンに出会う)に加え、猫、犬、植物 (特にペラルゴニウム!)、歴史、ワールドビルディング(ワールド、その住人やシステムを制作し、それらに関するストーリーを語る)をこよなく愛する。
商品監修担当
Sherin Kwan
(シェリン・クワン)
Minecraft のコンシューマープロダクトのクリエイティブを担当。ゲーム内のコンテンツをアートワークにするなど、Minecraft コミュニティ向けの素晴らしい商品を展開するパートナーのサポートを担当。趣味はゲームと新しい趣味を始めること。
ライセンスプロデューサー
石川 祐
グラニフのコラボレーション責任者。コラボ商品の企画立案から商品リリースまでを総合プロデュース。作家や作品に寄り添い、一人のファンとして、商品開発に取り組んでいる。趣味はエンタメ全般、他人の趣味の話を聞くこと。
インタビュー・編集:石川祐/コーディネート:田尻実桜/スウェーデン語通訳:Noritake Akechi/写真:Naoko Akechi